最終更新日:2016年9月21日

ここから本文です。

会議結果 

次の附属機関等の会議を下記のとおり開催した。

附属機関等の名称

 平成24年度第2回みよし市文化財保護委員会

開催日時

 平成25年3月13日(水曜日) 午後1時30分から午後2時20分まで

開催場所

 みよし市役所2階202会議室 

 

出席者

 

 (委員長)石川芳秋

 (委員)本多康夫、鈴木昭、久野芳夫、鈴木睦子、岡本洋子

小野田教育長

(事務局)

 赤川教育部長、塚本教育部次長、野々山資料館長、林資料館副主幹、嘉見資料館主査、塚本資料館主査、平井資料館主事

次回開催予定日

 ―

問い合わせ先

 教育行政課資料館係 担当者名 林

 電話番号 0561-34-5000

 ファックス番号 0561-34-5150

 メールアドレス shiryoukan@city.aichi-miyoshi.lg.jp

下欄に掲載するもの

議事録全文

要約した理由

審議経過

【議事】

 1.文化財資料購入について 

 

<典礼>
ただいまから平成24年度第2回文化財保護員会を開催いたします。はじめに教育長よりご挨拶をお願いします。
<教育長>
本日はお忙しい中、平成24年度第2回文化財保護委員会にご出席を賜り大変ありがとうございます。私は先ほど紹介のありました教育長の小野田でございます。昨年10月1日に就任いたしました。よろしくお願いいたします。委員の皆様方におかれましては、日ごろはみよし市の文化財行政に格別なるご支援とご協力を賜り、誠にありがとうございます。本日は教育委員会より文化財の購入につきまして諮問させていただきます。本日ご協議いただくのは、郷土出身の江戸時代後期の南画家伊豆原麻谷の掛軸2点でございます。みよし市は郷土出身者でもあり、質の高い作品を多く残している伊豆原麻谷作品の収集に努めているところでございます。現在70点程度が資料館に収蔵されており、企画展で折に触れ展示しているほか、ここ数年は、時期を限って常設展示も行っております。本日諮問させていただきます2点は、その質や資料価値において近年まれにみる作品だと聞いております。ご協議いただきご意見を賜りたく存じます。よろしくお願いいたします。最後になりますが、今後とも当市の文化財行政にご協力を賜りますようお願いを申し上げ、はなはだ簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
<典礼>
ありがとうございます。続きまして石川委員長よりご挨拶をお願いします。

<委員長>
ご無礼をいたします。久しぶりの会合ということになりました。議題につきましては、ただいまお話のありました通り、文化財の購入について諮問をいただいております。実物を見ながら、色々とご意見をいただき、その購入の是非について答申をしたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。今日は第2回ということで、会議としては2回目ですけれど、その間、県外、県内、あるいは西三河の地方史の大会だとか、研修を4回行っております。委員の皆様方の相集う会というのは、合計6回目ということになります。しかも私ども任期の前半の最後の会でありますので、この1年を振り返ってみて、また色々とご意見を賜れれば大変ありがたいと思います。これは別の話になりますけれど、3月6日でしたか、中日新聞を見ていらっしゃる方は、豊田版の第1面に指定文化財石川家住宅の記事をご覧になったと思います。石川家住宅につきましては、地元の私ども、あるいは市内の皆様方、どちらかといえば、ご存じないだろうと思いますけれど、建造物で指定文化財ということですから、しかも明治43年ですか、100年以上経つ建物ということで、いわゆる昔の大家の作りですので、あの記事によれば子ども云々ということが書いてありましたけれども、大人にとっても一度中を拝見していただければなあと、また拝見したいなあと、そういう希望を持たれた方も多かったのではないかと思います。運用につきましてはまた後ほど色々協議がなされるとは思いますけれど、例えば毎月第1土曜日の午後一般の人に開放するということになれば、ああ昔の大家の作りはこんな風か、我々庶民とはちょっと違うなという、そんな感じも持たれるのではないか、そんな風に思います。いま調度品の整理をしている最中です。私も時々あの前を通りますけれど、車が3台、4台、多い時には6台くらい並んでいる。聞けば調査登録するのにこの1年は掛かってしまうから、早くてもやはり平成26年度になるようです。そういうことで大変開館が待ち遠しい、そんな気持ちでございます。ああいったマスコミへのPRについては、今回は石川家住宅ですけれど、その前にもひな人形展ですとか、企画展の度に新聞なり、あるいは市の広報なり、マスコミに盛んに資料提供をしてPRしていただいておりますので、それと相まって一層文化財に対する関心が高まるのではないかなと、そんな風に思います。所感を述べてご挨拶に代えさせていただきます。
<典礼>
ありがとうございます。これより会議の取り回しにつきましては委員長にお願いいたします。
<委員長>
本日は委員全員の出席であり、みよし市文化財保護条例第11条第2項の規定に基づいて、本会議は成立をいたします。なお議事録の署名ですが、年度当初より、委員長が行うことで皆様のご承認をいただいております。今回も私が署名してよろしいでしょうか。
<全委員>
異議なし
<委員長>
それでは議事録署名は委員長が行うことにいたします。それでは議題文化財資料の購入について説明をお願いします。
<事務局>
失礼いたします。本日諮問させていただく作品を並べさせていただきました。参考のためにもう1点展示させていただいております。一番左が資料3ページ、4ページにございます老松図です。麻谷83歳、万延元年の作です。この年に亡くなっておりますので、最晩年の作となります。麻谷は安政年間の作品が多く、晩年まで筆力が衰えなかったことが知られていますが、83歳、最晩年の作となりますと、今確認できているのが資料館所蔵の短冊1点のみです。6月に亡くなっておりますので、作品自体が少ないということもあろうかと思います。所蔵の短冊を見ると、最晩年はさすがに筆力が衰えたと感じざるを得ないのですが、今回の掛軸は、その認識を改めないといけないほど、力強い作品となっています。構図も麻谷らしいものですし、彩色もしっかりとしており、83歳の作であるという資料価値も高く、展示等で活用したいと思います。次の作品が資料5ページ、6ページにございます酔翁亭図です。こちらは嘉永5年、麻谷75歳の作です。麻谷は50代で名古屋に帰って来てから精力的に活動しますが、天保・弘化年間の作品は少なく、嘉永年間あたりから作品が多く見られるようになります。ご覧いただいてお分かりになられるとおり、かなり精密に描いております。麻谷の特徴の一つは密画ですので、その特徴がよく出ている作品だと思います。またもう一つ麻谷の特徴として挙げられるのが、人物の上手さです。この作品にも人物が何人か描かれておりますが、いずれも上手く描かれております。これだけの作品が市場に出ることは現在では珍しく、また館蔵資料としてもこれだけの密画はあまりなく、この機会を逃さずに収蔵させていただきたいと思います。いずれの2点も豊田市美術館長吉田俊英氏に見ていただき、麻谷に間違いないという評価をいただいております。今回参考として出させていただいたもう1点は、吉田氏の評価としては麻谷作品とは思われない、ということでした。たしかに作品や落款から判断すると、麻谷の作とは考えにくい作品だと思われます。今回は参考ということで、出させていただきました。どうぞお近くでご覧いただき、ご意見を賜りたく存じます。
<各委員資料を実見>
<委員長>
皆様隅から隅までご覧になっていただいたと思いますので、感想なりご意見なりをいただきたいと思います。
万延元年というと、安政の次で、明治元年から逆算すると8年、おおざっぱに10年前。しかも83歳の最晩年、麻谷が亡くなったのが6月6日、半年の間に作品がどのくらい生まれたか、何本くらい描かれたかわかりませんが、83歳といったら、医療機関の乏しい江戸時代末期、今日でいったら100歳以上ではないでしょうか。私じっくり見させてもらいましたが、やや字が乱れているかなという感じですけれど、絵そのものの細かい線は、実に前と同じく細かく、果たして私あれを描けるかと言われると、とてもではないが描けない。やはり吉田館長の評価にあるとおり、人生を象徴するようなダイナミックさで、絵筆を持つとぴしゃっとなるということかもしれませんが、そういう点では、麻谷の人生における絵に対する執念というか、そういったものを感じられる作品かなと、絵そのものは私わかりませんが、生き様が感じられるという点では、これは貴重なものだなと、しかもこの年の作品は資料館でも短冊1点しかないということでも、この作品は良いなと私は思います。次の作品の箱には麻谷の署名がありますが、それで値段が上がってしまうのですか。
<事務局>
はい。箱書きがあると結果として値段が上がります。
<委員長>
絵そのものの構図で似たような作品はありませんか。
<事務局>
あると思います。作品名である「酔翁亭」が何かわからないのですが、おそらくは中国の故事にのっとって描かれていると思われますので、元となった中国画があると思いますが、その中国画がどれであるかは現在不明です。
<岡本委員>
模写ということですか。
<事務局>
厳密に言えば模写とは違うと思います。麻谷の中で元となる中国画を消化した上で描かれていると思いますので、全く同じではないと思います。画題となった故事に対する麻谷なりの解釈がこの作品として描き出されている訳で、元の中国画を写したというよりは、その中国画を元に麻谷なりに描いたといえると思います。
<本多委員>
表装は当時のままか。
<事務局>
箱書きが残っているので、おそらくは元のままかとも思いますが、比較的きれいなので表具替えしている可能性もあります。
<本多委員>
老松図はちょっとすっきりしないが、酔翁亭図は麻谷らしい作品だと思う。
<委員長>
酔翁亭図は中国絵画へ深い見識を持っている麻谷の南宋画家たる由縁がこれに出ている。南宋と北宋、中国の絵の流れがこの作品から感じ取れる、そういう面では貴重だと思う。
<岡本委員>
値段のことですが、近ごろは掛軸の価値が上がらないという話でしたし、この2点に対してもどれほどの価値があるか私にはわからないのですが、資料館としては、この値段にどういう感想をお持ちですか。

<事務局>
値段の適否はなかなか申し上げにくいのですが、過去の購入作品に比べれば老松図は安いと思います。これぐらいの作品で10万円程で購入した作品もあります。酔翁亭図は確かに近年では高価なのですが、これだけしっかり描かれていて、この価格であれば妥当かと思います。
<委員長>
他にご意見はございませんか。
<久野委員>
麻谷の軸は少ない。名古屋の骨董市に行って探してきたのだけれど1本しかなかった。
<事務局>
以前は1年間に数本持ち込まれることがありましたが、近年はその数が減っています。
<久野委員>
少ないということを骨董屋は言っていました。
<赤川教育部長>
出回ることは出回るんだね。
<久野委員>
大規模な骨董市で探してみたんだけれど、1本しかなかった。極めて少ないということを言っていました。
<本多委員>
豊田市はどの程度持っているのか。
<事務局>
豊田市美術館に屏風が一双、掛軸が2幅、巻子が2巻、郷土資料館に掛軸が1幅あります。皆良いものです。購入されたものもありますが、寄贈されたものもあります。
<久野委員>
他のものと比べて麻谷の掛軸は高かった。他のものが本物かどうかということは別問題として。
<赤川教育部長>
麻谷はみよし市が買ってくれるということで、値が上がったかもしれない。
<委員長>
それでは購入の是非について問うてもよろしいですか。貴重な資料となるから、購入を是とする委員は挙手をお願いします。
 <全委員挙手>
<委員長>
ありがとうございました。全員のご賛同を得ましたので、諮問のあった文化財は購入ということで、文化財保護委員会は答申をいたします。
では、議題については以上で終了し、何かほかにありますか。
<赤川教育部長>
石川家住宅につきまして次年度の予定を委員の皆さんに説明してください。
<事務局>
平成25年度といたしましては、建物の耐震調査・設計・工事、下水道の接続工事、駐車場の砕石舗装工事を実施する予定でおります。
<赤川教育部長>
進入路についても説明してください。
<事務局>
進入路につきましては、確定したことは申せませんが、西側の市道から接続できるよう、調査費を要望いたしております。
<委員長>
調度品の登録以上に大事な、人が入ることだから、それらが完璧になっていないといけない。
<久野委員>
あの座敷を迎賓館のような形にできないか。あれだけのものはみよしにない。立派なものだと思う。
<赤川教育部長>
10畳二間の座敷は、なかなかない。
<久野委員>
10畳二間に床の間付だからね。あそこで抹茶でも点ててもらえれば、それは立派なものだと思う。庭も良いから庭師も腕の良い人を頼まなければならない。
<事務局>
現在は木戸造園に管理等を委託いたしております。
<委員長>
よろしいですか。それでは以上で平成24年度第2回文化財保護委員会を終了いたします。

 

 資料館トップページへ 

お問い合わせ

部署名:教育委員会 教育部歴史民俗資料館  

電話:0561-34-5000

ファクス:0561-34-5150

メールアドレス:shiryoukan@city.aichi-miyoshi.lg.jp

ページの先頭へ戻る