最終更新日:2023年11月26日

ここから本文です。

【遺跡:K-90号】黒笹90号窯跡(くろざさ・きゅうじゅうごう・かまあと)

 黒笹90号窯は、現在、黒笹町清水(旧愛知大学名古屋キャンパス跡地内)にあり、すでに昭和32年(1957)に樽崎彰一(ならさき・しょういち)教授を始めとする名古屋大学考古学研究室により発掘調査がなされ、調査後窯跡は埋め戻されている。

 昭和54年(1997)に、愛知大学がこの丘陵地帯に移転することになった。この移転地内に黒笹90号窯を含め10基の古窯跡の存在が知られており、その内の5基については緑地地帯に現状保存され、残り5基と新たに発見された2基を合わせ7基が発掘調査され記録保存された。発掘調査後、現状保存されている黒笹90号窯について、愛知大学において史跡整備がなされ、三好町区域にある貴重で重要な文化財であるとして町指定されました。

 この黒笹90号窯は、猿投山西南麓古窯跡群(猿投窯(さなげよう))の中でも9世紀から10世紀にかけて、近在の黒笹89号窯とともに、灰釉陶器製品を主体に流麗で華美な花文陶器を始めとして、当時の最高級品陶器が生産されている。中でも「内豎所(ないじゅしょ)」と在銘の灰釉大鉢の出土は、中央政府からの注文品とみられることから、この窯が国衙の官窯であった可能性が高いとされています。

 この時代の、また猿投窯の中心的な窯であったこと、出土品も数多く種類も豊富なことから、黒笹90号窯が標識遺跡(黒笹90号窯式)とされ、全国の古窯あるいは猿投窯の研究に重要な遺跡として位置付けられています。

黒笹90号窯跡

公開場所(周辺地図

見学は無料ですが、下記の注意事項を必ずご覧ください

公共交通機関でお越しの場合

名鉄豊田線「黒笹駅」下車(さんさんバス「33番:黒笹駅」)

  • 徒歩(25分)

名鉄豊田線「三好ケ丘駅」下車(さんさんバス「4番:三好ケ丘駅」)

  • 徒歩(55分)

さんさんバス(時刻表、路線図)

  • さつきライン「33番:黒笹駅」下車(徒歩25分)

データ

みよし市指定文化財【記念物】

指定日…昭和58(1983)年11月30日

所在地(周辺地図

愛知県みよし市黒笹町清水370

  • 最寄りの施設…黒笹山手西公園

形状等

窖窯(あながま・穴窯)、長さ8.2メートル、最大幅1.4メートル、床面傾斜度24度

出土品

窯内および窯前に広がる160平方メートルの灰原から約20万片の陶器が出土

  • 長頸瓶、小瓶、手付瓶、椀、皿、鉢、托、香爐、合子ほか

時代

平安時代

注意事項

  • 史跡(遺跡)を傷付けないでください。
  • 住宅地が近いため大声などの迷惑行為は控えてください。
  • ごみ等はお持ち帰りください。

解説(新編三好町誌「資料編(考古)」より抜粋)

特徴

猿投窯のK-90号窯式の標識遺跡で、9世紀後半に位置付けられる。

緑釉素地が大量に出土し、それらの素地に施釉されたと推定される緑釉冬季は、全国各地の遺跡から確認される。平安京の役所の一つ「内豎所(ないじゅしょ)」銘灰釉椀が存在する。

立地

本窯跡は、境川と前川・愛知池および小石川に挟まれた丘陵のほぼ中央を南北に入り込んだみよし市境の米ケ廻間谷の最奥部の東側大山から派生した支丘先端の、西側斜面の標高68メートルほどに位置する。

遺構

窯体は西向きの丘陵斜面に所在し、天井が崩落していたが、全体が比較的良好に遺存していた。

・・・つづく

 

資料館トップページへ

お問い合わせ

部署名:教育委員会 教育部歴史民俗資料館  

電話:0561-34-5000

ファクス:0561-34-5150

メールアドレス:shiryoukan@city.aichi-miyoshi.lg.jp

ページの先頭へ戻る